忘備録

考えたことを書いて忘れる用の何か。

spin-off!から始まる物語に幸運を

Spin-off!のアニメ感想メモ。

・このメンバーで固定されていくだろうなという既存の仲間内感を打破してくれた

 人数の多い中、かなり久々に来た出番があのキャラと一緒に盛り上がる為に来たパターンだなと感じる所が多くなってく中で、人間関係の変化が明確に現れる作品になる。

・アイドルそれぞれに制限されたトーンを無理なく超えられる

 相手を「失神させるときゃよかった」とか車を弾き飛ばして「気持ちいい〜!」みたいな感情を吐露させる事ができる環境が整ったこと。

おそらくこのシリーズでなら元のデレで変更不可能レベルな普段遣いの口調の癖も修正していってもやり過ぎとまではいかない気がする。

個人的な希望だけど、本当にやれるとするならアニメ内の世界なら呼び名もチトセやナオとか役者の名前でなくシナリオに合わせて完全に別名でもいけると思う。

今回の話は名前の呼び方や前後関係にかなり重要な設定が元からあったようなので、それ自体が悪いわけではない。

口調や髪型、ビジュアルや発声、ここまで変更したら例え演じている設定だとしてもキャラクターが違うんじゃない?と思える限界ギリギリをあえて超えていく位の味付けであってほしい。

ちとせの演技や声は個人的にこちらのタイプの方が刺さった。

・アニメ新作

 単純に見れるのもいい。既存制約からの開放とロードマップの破壊を連想させる映像と自分の持ってた閉塞性の昇華して欲しい部分がマッチしてた。

・独立した物語である

 今までの制約も8年9年続ければ増えていくがこういう設定なら、いやこの別世界の中の話だからと言うことで突破できる部分は増えるし、単体で良し悪しの評価が下しやすい。

若干無理があろうとこれだけいきなり見ても大丈夫なとっつきやすさはあると思う。

・MV

今回の尺であるなら短いので見やすい、音楽とのマッチがいい。全体的な調和性が受け取りやすい。

マイケル・ジャクソンのスリラーMVは全体だと中々の長尺(15分くらい)で、基本的に芝居仕立てで、そこのドラマ中にマッチしたシーンから曲紹介MVへと入ってくる。根本的にかかっているコストはともかく、これもそういう系譜なのではないか。

これが長編になっていくのかはわからないけど、今回のバランスは音楽紹介としての効果が高かった。

オウムアムアに幸運を

作品との連動性を意識されてるだけあって一緒に聴いていて歌詞やテンポの意図を自分なりにだけど納得しやすい。

80年代音楽感があるらしい、そのちょっと後ぐらいのゲーム音楽でも聞き覚えがあるような、それでも自分の世代でないのかもしれなけど中々に聞き慣れるか慣れてないかの境界だったようで、新鮮だった。

ちょっとずれるけどa-ha「Take On Me」のMVが印象に残ってたのもあるのかもしれない。これを聞いた後に見返した。

個人的には今年の中で一番ヒットまである。

 

デメリットも

・キャラクターとしての人物像を意図的に破壊してる前提でみるので物語性が重要になってくる

 今回のムービーとしての突破力、ストーリーとか映像と音楽の噛み合い、キャラの掛け合いの小気味よさはよくできていたが、シナリオや作品の出来そのものが反発の多いタイプになってしまったと判断された時に、それに巻き込まれたキャラがイメージを破壊されたという文句が連鎖的に起きていきやすそう。

結果として不満の比率が一気に伸びるタイプの構造になってると思うし、そうなるとおそらく訂正も難しい。

・キャラ絵

 3DCGの元絵との変化は皆どこまで許容できるのかは気になる、デレステには上等なモデルが既にあって、そことの比較を余儀なくされる。

意図的に今までとは違うようにとの指示で変化させたとのことだけど、そういう比較してしまって頭によぎる瞬間がなかったわけではない。

ただこれは自分としては慣れの問題でもある部分も大きいしこちらである方が新規性含め良いという所もある。

・それでもついてくる世界観

今回は本編そのものにはなかったけど、的場梨沙のボイス実装を伝える意図という理屈でお仕事を頼まれたからという予告部分で接続点があった。これがどんどん事前告知を拡大していって完全独自の世界観で見れるはずなのに始まる前から前日譚イベントでお仕事感を見せたり、まるで犯人トリックのネタバラシがされた状態で見る推理小説を読むような感じに視点が固まってしまうことになったら期待感がなくなってしまう。

キャラクターに付与された制限はありつつも物語として無理なく組み込む大変さがあってその案配は難しい。

・最後に

 今後の可能性としての期待ができるような意識を持たせてくれる構造になってる出来だった。これ単体で終わるのか長編になるのかそれとも別コンセプトの短編になるのかはそれともはわからないが、この感想が出てくる程度にはこれだけでも楽しめた。